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2013年5月1日水曜日

マーファ、テキサス。


 今日発売のブルータス【居住空間学】の海外ページで
テキサス州マーファの住人たちを取材しています。
撮影は高橋ヨーコさん。

 初めてマーファに行ったのはちょうど10年前。
ドナルド・ジャッドのアトリエ/美術館、チナティで撮影した
カーサ・ブルータスのファッションページ。
フォトグラファーはジョエル・マイロウィッツさんでした。

 最寄りの空港から車で3時間。
ゴツゴツした岩山に、トゲトゲの植物だけが生える赤茶けた大地。
ぐるり360度、果てしなく広がる砂漠の光景には
日本に帰るよりもはるか遠くに来たという気が。

 その3年後に、こんどはブルータスの
西洋美術特集で再訪、撮影はギオンさん。
その時もまだ、チナティの外で見かけるのは
頭にテンガロンハットの、西部の男たちばかりで。

 そして2013年。
15分もあれば一周できる小さなこの街には、いつのまにか
味や雰囲気でNYのヘタな店をはるかに凌ぐレストランや
ティピやトレーラーに寝泊まりする
風変わりなデザインホテルまでもが出現していました。

 人間が住むには過酷すぎる、激烈な自然環境。
その一方で、北半球で最も澄んでいると言われる大気が作り出す
果てしなく広く、独特の青みをもつ大空は
理屈抜きで人を魅了します。
 なにより、いま「世界から切り離される」ことが
どんなにレアなことか。

 マーファに魅了されて住み着いた人たちは
アーチスト、リタイア組、映像作家、ホテルオーナー、デザイナー等々、
それぞれマーファとの出会いも違い、家の作り方も人それぞれ。
 活き活きとした彼らの住まい方も
この特殊な土地だからこそ、可能なんでしょう。




 上/こちらは自分スナップ。
 ホテル・オーナー、リズさんの冷水風呂。
 見渡す限りすべてがマイ庭。