Instagram

2018年4月3日火曜日

Dapper Dan!

 ハーレムの元ギャングスタにして、
伝説の仕立師<ダッパー・ダン>こと
ダニエル・デイに、
ブルータスのファション特別号<服が人を作る。>で
インタビューしています。

 例によって聞き手/話し手はデビッドで、
吉田が日本語原稿。
写真は小浪次郎さんです。

 御年70ウン才の伊達男、ダッパー・ダンは
かつてグッチはじめ高級ブランドをコピーした
偽ブランド服で一世を風靡した人物です。
そのフェイクの張本人を、グッチが
キャンペーンのモデルに起用とは!
 取材・撮影は、グッチが彼のために
地元ハーレムに作った高級テイラーショップで行われました。

 かつてブートを作った人物を広告塔に迎え、
しかも本物のグッチの生地で
オリジナルの服を作らせる?
そんなトリッキーで愉快な試みを、老舗ブランドがやってるんですね。
The interview we did in Dec. with Mr. Daniel “Dapper Dan" Day for BRUTUS Magazine's fashion issue is out. The legend is now in his 70’s, and suddenly became a model for GUCCI's advertising this spring. He was the godfather of “fake brand” fashion clothing back in the 80’s, making fake GUCCI, Chanel, and Fendi signature styles into his own creations. 26 years later, following a somewhat awkward collision of worlds, Alessandro Michele asked him to appear as a model for GUCCI, as well as offering him his own tailoring studio in the middle of Harlem. So Dapper Dan, the originator of "fake brand" fashion is now creating his own designs again, but this time around with the authentic, fine and beautiful GUCCI textiles that fill the many drawers of the cabinets in his studio.
He was one of Michele's major inspirations when he was a young boy growing up in rural Italy. This meta project came out of Michele's respect for this brilliant former gambler/fake brand clothing designer who changed the look of youth culture all over the world.
===
 以下、少々メモを。
 ダッパー・ダンは、80年代に一世を風靡した
”偽ブランド”ファッションの生みの親。
 グッチやヴィトン、シャネルをコピーした豪胆きわまりない洋服は、
たちまちLLクールJやビッグ・ダディ・ケイン、ソルト・ン・ペパといった
ラッパー達の御用達に。
 本家が作るはずもないドデカいロゴのスタジャンだとか、
ゴールドのベルトなどなど、社会や人種の階層システムを
斜め下から切り裂く痛快なオシャレを生み出したゴッドファーザーが、
ダッパー・ダン。
 ハーレムの小さな店でコッソリやっていたが
人気ラッパー達が衣装や普段着で愛用するようになれば
さすがにブランドの知るところとなり
訴訟の嵐に見舞われ、店も結局たたむ羽目に。
彼の生んだスタイルは、世界中に浸透しながらも
ダッパー・ダン自身は幻の人物として消えていった。
 あれから26年を経た今、ダッパー・ダンは70代のおじいちゃん。
ハーレムのど真ん中に、グッチのミケーレが用意したのは
瀟洒なタウンハウスを2フロアも使った仕立屋だ。
古き良き時代のハーレムを彷彿とさせる空間で、
全身ビシッときめたダッパー・ダンが
スーツやシャツを仕立ててくれる。
 マホガニーのキャビネットを開けると
グッチの最高級の生地がズラリ。
ここで採寸から仮縫い、縫製からフィッティングまで
すべて一貫してこなす。
 ミケーレは少年時代、イギリスの雑誌<FACE>に夢中だったという。
ある日手にした最新号、表紙はLLクールJ。
偽ブランドウェアでキメた出で立ちに、強烈にしびれたという。
これがグッチの顔・ミケーレの原点のひとつとなる。
 ハーレムに誕生したダッパー・ダンとグッチのアトリエは、
ミケーレがダッパー・ダンへ捧げた最上級の贈り物だ。
若き頃のギャングスタ時代の話をはじめ
困窮家庭に育った反動で幼少時から抱えていた、
良い身なりへの強烈な渇望、
ミケーレへのシンパシーなどなど、じっくり話を聞きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿