A book arrived from Mr. Yoshikazu Nishijima, a photographer who lived in Fukuoka, Japan. He moved back to his hometown in 2004, after 27 years working in Tokyo, where he was a photographer for Brutus magazine in the 80-90s. This beautiful book is a compilation of pictures he took around Hakata Bay, which surrounds this cosmopolitan city of 1.5 million people, and a two thousand year history.
福岡のフォトグラファー、西島善和さんから
写真集が到着しました。
80~90年代、ブルータスなどの雑誌や広告で活動されていた西島さんは、
2004年に故郷の福岡で西島写真事務所 & STUDIOを設立。
『博多湾、海を見にゆく』と題されたこの本は、
その名の通り、博多湾に特化して撮影した写真集なんですね。
あとがきをちょっと書き写してみましょう。
「緩い坂道を上がると、海に出た。
砂浜、磯、渡船場、そして漁港。
夏の間、海に行けば友達に会え、陽が沈むまで遊んだ。
中学に入ると、2階の教室の窓から海が見えた。
海は四角いフェンスで仕切られ、潮の匂いにかわって、
泥と油の臭いで教室を満たした。
18歳になり、私は福岡を離れた。
「住みたい町ランキング」などで、毎年、上位に挙がる福岡市の魅力を、
食、文化、交通の利便性などで語られることは多い。
しかし、忘れてならないのは、本来この都市が海に面した港町であり、
その中心にある博多湾が持つ多様な表情は、
福岡市の魅力の大きな要素であるということである。
45歳になった時、私は家族を伴い、福岡に戻った。
海沿いの道を車で走り、いくつかの漁港を訪れた。
失った時間を取り戻すには、懐かしい匂いがする場所が必要だった。
むせ返るような魚の匂い、なまあたたかい潮風、漁師達の遠慮のない言葉。
ゆっくりと流れる時間。
いつまでそこにいても心地良かった。
高台に登ると、水中翼船の水煙が海面に糸を引き、福岡の街が見えた。
そして博多湾が見えた。 (以下略)」
眺めているうち、自分の古い記憶のようにも
思えてくる写真たちです。